同じ内容なのに、どうして支払額が違うの?
これまでは他の薬局さんで処方薬をもらっていたけど、今回はじめて当店で処方箋を受け付けたお客さんより質問されました。
同じ薬、処方日数も同じなのに。なんで? 薬局って薬を販売する店でしょう?同じものを同じ量だけ買って支払額が違うって、おかしい。
…これは素朴な疑問だと思います。
薬局で支払う金額は、薬剤料だけではない
いわゆる健康保険適用の処方箋については、その料金体系は厚生労働省により定められています。
薬の値段を「薬価」といいますが、これは日本全国どの薬局でも同じ。
(ただし、保険適応の無い薬はクリニック・薬局が独自で価格設定できますから値段が違うことがあります。
たとえば美容系の薬・男性の脱毛症治療薬や勃起不全治療薬など。)
そこに、調剤基本料と技術料、管理料が加算されるのですが
ここがちょっと理解を得にくいところでしょう。
普通のお店だと、支払うのは商品の金額だけですよね。
「それなのに薬局では、薬の値段に上乗せされる料金があるの?なんかぼったくりじゃない?」と感じてしまう気持ち、わかります…
実はですね、処方箋薬って仕入れ値と売値がほぼ同じなんです。
100円で仕入れた薬を100円で売るという感じです。
(わたくしは経営者でないから正確なところは知りません。もしかしたら100円の薬を90円で仕入れているのかもしれませんが、それにしても利益をだせる差ではないことは確かです。)
昔の事情をご存知の方でしたら「薬局や診療所は薬価差益で儲けている」というイメージを持っておられるかもしれません。
しかし今や、厚生労働省の強力な「指導」によりそんなことはなくなっています。
大手の薬局で価格交渉力を持っていれば多少の薬価差益があるでしょうが、それとて微々たるもの。
だから、人件費・光熱費等の経費を賄うのに、調剤基本料・技術料・管理料が必要なのです。
”基本料”が薬局によって異なる
このうち管理料が、薬局によって微妙に違うのです。
何がどう違うのか?を説明するのは、とっても大変だし、わかりにくい。
(しかも2年に1回の改定があるんです。コロコロ変わる。)
大雑把に言うと、大手のチェーン薬局は安い。
いっぽう、地域に根差していろんなサービスを展開している小規模経営の薬局は高いです。
だから、支払いを安くしたければ大手チェーン(あるいはその傘下)の薬局に行けばよいです。
大手チェーン薬局を手放しでお勧めできないワケ
ですが”内情を知る者”としては、基本料が安い薬局を手放しではお勧めできません。
なぜならば、基本料が安い薬局ではその分人件費が抑えられていて
したがって、儲けにならない仕事はするな!という風潮があるからです。
皆さんの、薬局に期待するサービスって何でしょうか。
お薬だけでなく、健康や生活に関する相談に乗ってほしい
独居の方でしたら、他愛ないおしゃべりをしたい
介護に携わる方でしたら、ちょっとした愚痴を聴いてほしい とか
サービスとも言えないようなちょっとした対応を期待してくださっているとしたら、
大手チェーンでは難しいかもしれないです。
もちろん、対応してくれる薬剤師はいると思います。でもそれは会社の方針じゃないのが悲しいところ。
ご自身のニーズにあった薬局をご利用くださいね
大手であれ小規模であれ、薬局としての基本的な業務の質に違いはありません。
最終的には、担当する薬剤師の資質が決め手となるでしょう。
ご自身個々の、薬局に期待するサービスによって、ご利用になる薬局を使い分けてくださいね。
以上、処方箋薬についてのお話でした
以上は保険適応の処方箋薬についてのお話でした。
保険適応ということは、保険制度=国のお金が使われているので
国(厚生労働省)が厳しく管理しているんですね。
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