甲状腺の病気にメルカゾールとチラーヂン

メルカゾールとチラーヂンを同時に服用する
という処方せんを受け付けました。
チラーヂンは甲状腺ホルモン。
メルカゾールは甲状腺ホルモンを抑える薬。
ですから、正反対の働きをする2つの薬を同時に服用するという処方。
お薬手帳を確認すると前回も同じ処方です。

本内容はフィクションです。
学術的正確さよりも患者さんに納得してもらえることを優先したお話になっています。

正反対の作用をする薬を、同時にのんでいいの?

こんにちは。

今回処方されたお薬はこちらです。今のんでいらっしゃっるのと同じようですが

お間違えないですか?

え?またこの薬?両方とものむんですか?

(処方箋を確認)たしかにそうなっていますが…

先生のご説明とは違っていますか?

いいえ、先生も「引き続き同じ薬をのむように」って言ってました。

でも…

ネットで調べたんですけど、この2つの薬、真逆の効き方をするんでしょ?

”上げる”薬と”下げる”薬、同時にのんだら身体が変にならないかしら?

たしかに不思議に思いますよね。ですがこの治療法、わりとよくあるんですよ。

検査結果と診察の結果から、この治療が最適であると先生が判断されたのだと思います。

検査はいろいろとたくさん受けました。もう訳わかんないです。

甲状腺で有名な先生と聞いて紹介されて受診したのに

なんだか騙されているような気がしてー

そうですかー

納得できないと不安ですよね。

次回の受診のときにでもぜひ、先生に質問してくださいね。

あ!でも

ご自身の判断で服薬を止めることは

絶対にしないでくださいね!!!

メルカゾールとチラーヂンを併用する療法は、あります

この方のように
メルカゾールとチラーヂンを併用するという処方、一昔前にはよく見かけました。
むしろ単剤処方のほうが珍しかったくらいです。
たしか当時の教科書には、ホルモン分泌システムにおけるフィードバック作用を絡めた解説がされていたような(うろ覚え…)。

ですが、そういえば最近は併用処方を見かけなくなりました。
調べてみると
今はメルカゾール単独投与が主流になっているらしいです。
患者さんの特質や病状によっては
メルカゾール単独投与ではなく、メルカゾールとチラーヂンを併用する治療法を、医師が判断することもあります。

おそらく今回の患者さんは、単独投与よりも併用療法のほうが適しているという医師の判断だったのでしょう、けれども…

なぜ?という患者さんの疑問を解決できなかったことが悔やまれます。

勉強不足だわ。

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