蜂窩織炎で入院していました
「やあ、ひさしぶり」と入ってこられた男性の方。いつもは四週間分のお薬の処方箋をお持ちになるのですが、薬歴を確認すると、直近のご来局から二か月も経っています。

こんにちは
この前に来られてから、ちょっと期間があいていますが
お薬は足りていましたか?

うん。薬はちゃんとのんでたよ。
入院していてね。病院から薬をもらっていたんだ。

えっ、入院されていたのですか?
お具合がよろしくなかったのですね。如何なさいましたか?

蜂窩織炎。またなっちゃったんだよ。
一週間入院だった。
そういえば、この方は過去にも何度か蜂窩織炎で入院治療を受けています。
蜂窩織炎とは?
「蜂窩織炎」は ほうかしきえん と読みます。
蜂という字が入っているのは、患部を顕微鏡で見たときにハチの巣のようにみえるから、なんだそうです。
皮下組織(皮膚の、もう少し奥)にバイキンが入る病気で
”なんか腫れてる?虫に刺されたのかな?”という程度の軽症から
重症になると、たとえば腕や脚の全体が太くなって屈伸できないほど腫れることもあります。
感染症ですから、放置すると最悪の場合、命が奪われかねません。
治療は抗生物質で行われます。
抗生物質とは”抗菌剤”とも呼ばれる薬で、菌が増えるのを阻止したり殺す働きをします。
軽症であれば飲み薬で治ることもありますが
重症の場合は入院することに。
蜂窩織炎の原因は?
蜂窩織炎は、皮下組織に悪い菌が入ることで起こります。
ではその”悪い菌”は、どうやって皮膚に入り込むのでしょうか。
健康な皮膚であれば、少々汚いものに触れたとしても
よっぽど悪質な菌だったり大量でなければ発症しません。
ですが、皮膚が弱っている場合
たとえばアトピー皮膚炎であったり、火傷などの外傷などにより
皮膚のバリアー機能が弱いと、菌に侵入されやすくなってしまいます。
また、たとえ悪い菌が侵入してしまっても
免疫機能が、侵入した菌を退治してくれます。
ところが免疫機能が弱いと、侵入した悪い菌を阻止しきれなくて
蜂窩織炎を発症してしまいます。
蜂窩織炎を防ぐには?
直接の原因であるバイ菌に触れなければいいのですが、それは無理。
だってバイキンは目に見えないですからね。避けようがありません。
それよりも
- 皮膚のバリアー(防御)機能
- 体の免疫機能
を強くすることが、予防になります。
皮膚のバリアー機能を強くするには
湿疹等の皮膚トラブルがあれば速やかに治す
そして皮膚の保湿を心がけましょう。
お風呂上りに保湿クリームを塗るのがお勧めです。
免疫機能については
残念ながら”こうすれば強くなる”という決定的な方法は、まだ明らかになっていません。
ただ、過度のストレスや不健康な生活が、免疫を弱くすることは本当ですから
「免疫力を弱めないような生活」を送ってほしいですね。
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